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南アメリカ旅行

１−ジャマイカ-新たな旅立ち

２−カリブ海-天国のような美しい海

３−ベネゼラ-初めての南アメリカ

４−コロンビアへ-雄大なアンデス

５−ボゴタへ-山あいの町や村

６−エクアドル国境へ-山また山

７−エクアドル-インカの末裔たち

８−熱帯の低地-むせ返る熱気

９−ペルー-砂漠を行く

10-リマへ-海沿いの道を行く

11-アルチプラノ-過酷な4000ｍの高み

12-ボリビア-冷雨と牧童たち

13-アルゼンチン
　北部山岳地帯を行く

14-豊かなパンパ、小奇麗な町美しい人々

15-サンチャゴ-アコンカグアの麓を行く

16-チリ-明るく、穏やかな人々

17-パタゴニアへ-湖沼地帯を越えて

18-マゼラン海峡にて-忘れえぬ人々

19-ブエノスアイレスへ

20-アメリカのビザ

21-ポサダスの週末の夜-そしてイグアス

22-ブラジルと日系移民-親戚を訪ねて

23-チチカカ湖東岸を行く

24-インカ道をマチュピチュへ

25-アマゾン川のバレーボール

26-コルディレラアスール

27-カリブ海へ

28-グァテマラ

コルドバ

アルゼンチン　

荒野から緑豊かな大地へ

北アルゼンチンには緑が広がっていました。国境からさらにアルチプラノを１日冷雨に耐えると、そこには暖かく緑あふれる土地が広がっていました。分水嶺を越えたあたりから下り始めた道は、谷川沿いをゆっくり下りつづけます。
両側の岩山がかなり高くなった頃、何時しか雨が上がりまぶしい日の光が戻っていました。気温もどんどん上がります。

おりからの雨で川水はにごっているものの、真っ赤な地層が印象的な周囲の巨大な岸壁をバックに、川沿いに広がる緑の集落がなんとも美しく鮮やかにみえます。豊かに葉をつけた柳に似た木の枝が川面を渡る風に、ワルツでも踊っているかのように優雅になびいています。そう、アルゼンチンでも美しい景色で有名なケブラダ・デ・ウマワカです。西側の真っ白な頂と美しい谷間を見おろしながら、どこまでも快適な道がつづきます。やがてフフイの町に着きました。

一変する雰囲気、豊かな雰囲気

フフイまで来ると山はだいぶ低くなります。山全体が緑に覆われて風景がとてもみずみずしくやさしく感じられます。つい３日前までいたアルチプラノの過酷な世界がとても信じられません。丘の上から見たフフイの町は、これまで南米でみたどんな町ともまったく違います。古い建物が少なく、町並みは明るく近代的で、まるでヨーロッパの街を見ているような気がします。人々の構成もメスティゾが少なくなり、白人系が多くなりました。

安レストランでの食事のとき、店内が混んでいたことから、若い女性と相席させていただきました。スペイン系の美しい方でした。大学生だそうです。彼女はそれまでに南米であった女性とは、大柄な体形や知的な物腰が違っていました。もっとも女子大学生に会ったのは初めてですが。ステーキを食べながら、片言の英語と片言のスペイン語で旅行の話や食べ物の話をしました。周りが騒々しいのが気になりましたが、最後に親切にも安宿を教えてもらいました。アルゼンチンは他のラテンの国とは違うなという感を深くした次第です。

豊かな酪農製品

私はきっとあなたと同じで、肉が大好きです。チーズやソーセージの酪農製品全てが大好きです。アルゼンチンほど酪農製品が安い国を知りません。食料品全体がとても安いようです。
生活水準が他の国と比べて高いので、ホテル代などが高いのはしょうがありませんが、食料特に酪農製品は他の国よりも安く、よりおいしく、ドイツ並みに種類が豊富です。これは私にとって飛び上がりたくなるほどの喜びでした。

最初に食べた、でっかい牛肉のステーキが２００円でした。大好きなソーセージも種類が豊富で、信じられないくらい安くとってもおいしいです。ワインが好きな方には種類が豊富なワインが用意されています。朝食にはジャム類、また軽食にはあふれるほどのチーズがのせられたピザがあります。ピザ屋の前はそこら中にチーズが落ちています。ピザも種類が豊富でボリュームたっぷり、味もサイコーです。

アサド　豪快な焼肉

アルゼンチンの経済と豊かな食生活は、その広大なパンパが支えているといっても過言ではありません。日本の１０倍もある広い国土に４分の１の人口です。南部のパタゴニアと北部のアンデスを除けばあとはパンパと呼ばれる広大で豊かな土地が広がっています。酪農製品が豊富なのは実にうらやましい限りです。
旅の途中、いたるところに広々とした牧場があります。ある日牧場に沿った道を走ってるとき、ひょんなことからそこでの食事に招待されました。野外でのバーベキューといったところでしょうか。火の上においた数本の鉄棒の上に網が並べられていて、その上に大きな肉の塊がごろごろとおいてあります。
７〜８人のたくましい男たち（ガウチョというのでしょうか）が、焼けた部分からナイフで肉を切り落とし口に放り込みます。一方、１ガロン入りのビンに入ったワインが回し飲みされています。重いビンを肩に乗せビンの口元に付けられた縄を指で引いて口元に持っていき、そのままぐびぐびやって肉を流し込みます。
初めて体験しましたが実に豪快な食べ方です。何よりも肉のうまいことうまいこと。おかげでお腹いっぱい頂きました。

夏の日差しと、洗濯

翌日目を覚ましたのは昼過ぎでした。部屋の暑さに驚きました。２月の南半球が夏であることをとんと忘れていました。急いで窓を開けると、爽やかな空気がスーット部屋に入ってきました。真夏の日本の高原の空気です。日差しは強いのですが、空気はひんやりしてきわめて爽やかです。周囲の山々は豊かな緑に覆われています。岸壁をむき出しにしたこれまでの山とはまるで違い、とてもやさしく感じます。

久しぶりに洗濯をしました。アレキパ以来、寒いこともあってそんな気分にはなれずにいましたが、ここで一気にかたずけました。短パンも久しぶりです。明るい日差しがこんなにやさしく美しいものであったことに改めて気がつきました。つい２日前までの過酷な世界がまるで夢のようにも感じます。洗濯が終わったあと休憩のつもりでベッドに横になると、窓からの風が気持ちよく、、、また睡魔が襲ってきました。身体も少し洗濯する必要があるようです。