ガイド
アフリカ旅行記
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サバンナに白煙を上げるビクトリア滝へ
密林地帯を抜けると空気が乾燥してきて、広々としたサバンナが広がります。
そんな中に白煙を上げるビクトリア滝。
かつてこの滝は探検家たちの目にどのように映ったのでしょう。
彼らの壮大な旅に思いをはせながら、私は今回の旅の最南端に着きました
密林からサバンナへ、原色の花と緑の町 ルブンバシ
カナンガを出た列車は広広とした草原地帯を走ります。やがて内陸部へ向けて、大地はゆっくりと高度を上げていきます。そして葉が密生したマンゴーやヤシの木が点在するサバンナ気候が始まります。
開け放たれた窓の外を過行く風景、にぎやかな多くの乗客。これからルブンバシまで楽しい列車のたびが始まりました。途中の駅に長いこと停車します。その間様々なものを頭に載せた物売りが行ったり来たりします。珍しいものではサルの干物なんかも有ります。それら珍味をつまみながら、彼らと客とのやり取りを見ているのも楽しいものです。
ただ今回はそのような気分にはなかなかひたれませんでした。あっという間にすぎたカナンガでの日々、奥さんやアランとすごした時間が思い出されて切なくなります。何度も簡単に来られる場所ではありません。アフリカの奥地です。そのときが楽しければ楽しいほど、もう2度と来られないかもしれないと思うことはとても辛いものでした。
3日後1500Km先のルブンバシに着きました。ルブンバシは標高1300mほどあります。その性でしょうか、朝晩はかなり冷え込みます。乾燥しているため空はいつも雲ひとつ無く晴れ上がり、空気がとても爽やかに感じます。ついこの間までの密林の熱気がうそのようです。ルブンバシもその先のンドラも、町中原色の花と緑に彩られてとても美しい街です。ゴミなどによる街の汚れにも気が配られているようです。そしていつも高原の空はどこまでも高く青く澄んでいます。これらの町ではインド人とヨーロッパ人がとても良く目につきます。この快適な気候を求めて住み着いたのでしょうか。
ルブンバシからはまた、安いトラックを使ってザンビアへ入りました。
ザンベジ川と自然公園のレンジャー 山のような像の焼肉
ザンベジ川が見たくて、少し遠回りですがモグエ経由で、ザンベジ川沿いになんかするルートでリビングストンへ向かいました。
ルサカを出ると乾燥したサバンナの中を舗装された道がまっすぐ伸びています。その道は途中カフエ国立公園を横切ります。途中そこで働くレンジャーの方に乗せていただきました。ランドローバーの運転席の横には銃が立てかけられています。道からでも様々な動物が見られます。また道の上には糞があります。それらについての解説をしながら、また自分の誇りや夢を語り続けながら、前方を見据える彼はとてもカッコ良くみえました。イギリス人で、アフリカに憧れてやってきたそうです。
アフリカには多くの白人が住んでいます。様々な理由、事情があると思いますが、彼らが日本人と違うのは、精神的にも物理的にもアフリカとの間に壁が無いことでしょう。やがてより多くの日本人がアフリカで活躍できるようになるといいですね。
モグエからリビングストンまでの道はザンベジ川沿いに南下します。夕日が傾くと川岸の広大な湿地が真っ赤に染まりました。青く澄んだ空はやがて藍に変わり、南の星星が輝き始めます。かつて、リビングストンの一行も野営の準備に取りかかったころでしょうか。同じような夕日を見たのでしょうか。マラリアに侵されながら、夢だけを見ていたのでしょうか。はるかな母国への望郷の念は無かったのでしょうか。
翌日は、車の調子が悪く途中の村で1日停滞しました。おかげでその夜大変なものにありつくことになりました。夜地元の方に来いといわれて着いていくと、民家の庭先の暗がりの中に山のように積まれた肉がありました。そのそばではドラム缶で火をおこし、10人ほどが肉を焼いて食べています。
現地の言葉もフランス語も良く聞き取れないのですが、どうやら像の肉だそうです。公園から出たものは処分しても良いそうです。何より久しぶりの肉でした。最初はまさか像だとは思いませんでした。その外見からは創造もできないような柔らかくておいしい肉です。うまいうまいと連発したら、カバはもっとうまい、いやキリンは最高だと、威勢の良い声が上がります。さすがはアフリカと感心してしまいました。久しぶりに大量のたんぱく質を補給できました。象さんに感謝です。
豪快なビクトリアフォールズと驚異の地形
ビクトリアフォールズを目指しました。ビクトリア滝は、イグアス、ナイアガラとともに世界3大瀑布の一つです。観光用の交通の便は整っています。首都のルサカから舗装された道が草原の中を通っていますので、バスが快適にそこまで運んでくれることでしょう。
大きな滝です。そしてその地形がまた創造を絶する物があります。滝の反対側が高い壁になっており、滝壷でできた霧がその壁を勢い良く這い上がります。そのまま空高く吹き上がり、遠くからは山火事の煙のようにもみえます。リビングストンが村人に案内された時、村人は白い煙と音におののき近づこうとしなかったそうです。
見学の際はカッパが必要です。さもなければずぶ濡れになりますよ。もっとも、暑いので濡れたほうが気持ちが良いかもしれませんが、、?
参考データ
気候
・コンゴ(旧ザイール)。コンゴ川北部は1年中日本の真夏並みの高温多雨です。12月から2月は雨が比較的少ないもののそれ以外の時期は、毎日のようにスコールに会います。
赤道以南のキンシャサ付近も同様に年中高温です。ただ6月から9月は乾季で良い天気が続きます。その時期、朝晩はアフリカかとは思えないほどの涼しさです。きっと快適な旅行ができることでしょう。ただ、赤道をはさんで北側と南側は、乾季や雨季がほぼ正反対であることに注意してください。
カナンガ付近までは高温多雨気候ですが、南東部の高地は乾燥しています。4月から10月まで非常に快適な気候が続きます。朝晩は寒いくらいで、日中は日本の初夏程度の気温です。青い空をバックに原色の花が際立つ季節です。
・ザンビア:ルサカも上記コンゴ南東部と同様の気候です。またビクトリアフォールズなどがあるザンビア西部も同じようなものですが、乾燥がややひどくなり、ほこりっぽくなります。
交通事情
・キンシャサとキクウィット間は現在は舗装されています。橋などもかなり整備されております。船旅では時間が無いという場合はバスやトラックが可能です。舗装なのできっと快適でしょう。ただそれが良いかどうかは貴方の好奇心しだいです。その先はいまだに当時とあまり変わらないと思われます。
・同国内の主要都市は川で首都キンシャサとつながっています。したがって船の便はかなりあると思われます。私が乗ったようなローカル船ではなく、もっともっと快適な観光船もあるはずですので、事前に確認されることをお勧めします。はい、これも好奇心しだいですね。
・ビクトリア滝まではルサカや隣国から飛行機でもいけます。また今は軽飛行機などで空中から滝を見ることも可能ですので、その滝と川の創り出す異様な地形を、是非空から堪能してください。
リンク
・コンゴ共和国: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/congomin/index.html
・コンゴ: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/congokyo/index.html
・ザンビア: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/zambia/index.html
・赤道ギニア: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/eq_guinea/index.html
・ガボン: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/gabon/index.html
・ジンバブエ: http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/zimbabwe/index.html
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