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ヨーロッパ旅行記

1.初めてのヨーロッパ

2.仕事探し

3.ハンブルグ

4.針金細工売り

5.逮捕と拘留

6.ハノーファの恋

7.学生食堂

8.行商と晩秋の北ドイツ

9.極寒のクリスマス商戦
10.お別れ
11.2度目のヨーロッパ
12.1年ぶりの北ドイツ

13.メーベンピックレストラン

14.皿洗いと職場の仲間
15.テレサとヘレン

16.ホテルマンへの誘い
これ以後は北アメリカの後にお伝えします。

18.3度目のヨーロッパ
 ロンドンでバイク探し

19.バイク旅行
 初夏のスカンジナビア

20.ワサンタとの再会

21.ポルトガルからトルコへ 

1年ぶりの北ドイツ

仕事が始まるまでの少しの時間を使って、北ドイツにて行って見ました。1年ぶりです。懐かしい街角や宿、、、、。しかし、1年前の仲間はもう誰もいませんでした。

ハンブルグへのヒッチハイク

仕事開始まで10日間もただじっとしていられる訳もありません。まもなく普通の生活に戻れることがわかると気持ちに余裕ができるものです。それまでの緊張が少しほぐれたのでしょうか、1年ぶりの北ドイツがとても懐かしくなりました。仕事を始める前にどうしてもハンブルグに行ってみたくなったのです。できれば誰か以前の仲間にも会いたいと思いました。そしてハノーファーにも。小さなサイフの底にはあと数日の宿(ユースホステル)代とパンが買えるぐらいはまだ残っていました。

 往復2000キロのヒッチハイクです。これがこれまでに無く難儀でした。ハンブルグまで3日もかかってしまいました。初日は降ろしてもらう場所を間違えてしまい、雨の中を何キロも歩いた上にアウトバーンの橋の下で夜を明かすことになりました。
 翌日やっと、ハンブルグを目前にしたサービスエリアまで来ましたが、もう夜になっていました。降りしきる冷たい雨の中ハンブルグまでの車を探しましたが、時間的に遅い性もありなかなかうまくいきません。それに加えて、気温は初冬を思わせるほど低く、濡れた手はすぐにかじかんできました。良く見ると他にも何人か私と同じことをしている若いのがいます。

相部屋

 “Hi!どーお?”という声がしたのでそちらを見ると、ドイツ娘のバックパッカーでした。行先は違いますが同じヒッチハイカーです。比較的有利な女性でも手こずっているようです。お互いねぎらい励ましあった後また一がんばりしました。しかしながらアフリカ帰りで防寒対策が不十分なこともあり雨と寒さには勝てませんでした。明日にしようかな、、と弱気になりあきらめかけたところに、またさっきの女の子がやってきました。やはりだめなようです。“あたしもう明日にしようと思うんだけど、お宅はどうすんの、まだがんばるの?”

 弱気になった旨を伝えました。ともかく暖かいレストランのなかでコーヒータイムにしました。彼女は学生で、短期休暇を利用しての小旅行だそうです。彼女は併設しているモーテルに部屋をとるということでしたが、金が無いので適当な場所で休むという私の話を聞いて、彼女の部屋に来いといいます。さすがに少しばかり躊躇しましたが。彼女が強く勧めるので、お言葉に甘えることにしました。凍えた体には部屋の中は暖かく天国のようです。おかげで柔らかなソファーの上でぐっすり眠ることができました。彼女に感謝です。

1年ぶりのハンブルグ

 翌日早朝、ハンブルグ行きのトラックに載せてもらいました。エルベ川と行きかう船舶、ラットハウスやゴシックの大聖堂の尖塔が見えます。アルスター湖も穏やかなたたずまいを見せています。そこには、かつて半年を過ごした町の懐かしい風景がありました。ホームレス?ではありましたが、ホームに“帰ってきた”ような気持ちです。1年間のハードな旅の後、勝手を知った心安らぐ場所に戻ったのです。

 早速、ユースホステルやこじき部屋、レーパーバンのたまり場など、それと思しきところに行って見ましたが、もう誰とも会うことはできませんでした。考えてみれば、誰も1年もこんな取締りの厳しいところに居るわけもありませんね。来るまではあれほど高揚していた気持ちはしぼみ、急にさびしくなってしまいました。普段一人でいても、金が無くてひもじくとも、あまり感じたことのない孤独感でした。人間一人では生きられない、といったようなことなのか、体調不良で弱気になっただけなのか、旅が長すぎるのか、、、。
珍しく晴れた空の下町を歩きながら、週末ガービーに会うことだけを楽しみに、あちこちで針金細工を売り歩いていた1年前が懐かしく思い出されました。

晩秋のラットハウス

 ハノーファーも同じでした。もう行くまいと思ったこともあったのですが、やはりただ通り過ぎることはできませんでした。ここ数日天気のいい日が続いています。澄んだ空気の中もう枯葉が舞う時期になっていました。
1年前ガービーと一緒に歩いたいつものコースをゆっくり歩いてみました。通り沿いの小川には以前同様に澄んだ水が流れています。そしてラットハウスは相変わらず荘厳な趣があります。展望台からは、ハノーファーの町並みと葉を落とした湖沿いの森がみえます。
1年前と同じように、少しかすんだような金色の空気の中に、町はしっとりとした落ち着いたたたずまいを見せていました。
いくら見回しても、もうガービーはいません。あの明るい話声の代わりに、聞こえるのはただ、
枯葉のかさかさする音だけでした。
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