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北アメリカ滞在記

1、アメリカの入国ビザ

2、モントリオールへ

3、仕事は飲食関係

4、ハードワークは眠い

5、中華レストラン

6、ママと移住者のバイタリティー

7、マウントロイヤルとサイクリング

8、南米への旅立ち


9、ニューヨーク へ

10、資金稼ぎは日本レストラン

11、お客はガッツ石松


12、同僚はスチュワーデス

13、車の運転免許

14、帰国はインド経由で

ハードワーク


アルバイト先を2件掛け持ちしてのハードワークの日々が続きましたが、
新しい生活はそれなりに新鮮な出会いがありました。

軽食喫茶と中華レストランの掛け持ち

慣れてしまえば仕事はさほどきつくなく、それに女性のマネージャーも優しくてとても美人なので、毎日とても楽しくやっていけそうでした。しかしながら、所詮不法滞在、不法就労の身の上です。面接の際にもマネージャーから「ソーシャルナンバー?」の様なものを取得し次第教えるよう言われています。おそらく移民の人々が正式に移民を許可されたときに政府から与えられるものだと思われますが、私がもらえるようなものではありません。彼女には曖昧な回答をしたままでした。やむを得ないこととはいえ、自分の都合で人を騙していることになりますのでいい気持ちのものではありません。また肉体労働が厭でとりあえず始めたものの、そこでの報酬が少ないのです。そのままでは南米旅行の旅費ができる見通しが立ちませんし、一刻も早くそんな違法行為を止めるためにも、もっともっと稼がなくてはなりませんでした。短期間で辞めることになったため、目をかけて頂いた女性マネージャーを怒らせてしまったことが心残りでした。

 ほどなくレストランを二つ掛け持ちでやることになりました。新聞の求人欄を丹念に調べ、電話で時間帯を調整しながら探した結果、1か月後なんとか二つやれることになりました。朝7時から午後3時まではギリシャ系移民が経営する軽食喫茶でモーニングサービスとランチ。その5分後3時5分!!から深夜12時まで中華レストランで働くことになりました。二か所の職場は距離で2ブロックほど。軽食喫茶の作業着を脱いでから自転車を駆って中華の作業着に着替えて持ち場に着くまで5分です。深夜、中華の仕事を終えてからマウントリアルを越へてアパートに帰るまで1時間。それでどうしても寝るのはいつも1時過ぎになります。日記や手紙を書いているとすぐ睡魔が、、、。そしてすぐ朝。けたたましいベルの音が頭に突き刺さります。6時には起きてまた自転車で山を越えて7時開始のモーニングサービスに間に合わせます。体力と頑張りには自信があったのですが、睡眠時間が5時間の生活が何日も続くとさすがに寝不足になります。少しばかり辛い日々が続きました。

週末はゆっくり寝よう

 その軽食喫茶はオフィス街と港で働く人々を客にしていたので幸い週末は休みでした。かといってその分午後3時までのんびりしていたわけではありません。週末のその空いた時間は中華レストランでランチの仕事もすることになっていました。でも幸いなことに仕事開始は10時だったので土日だけはすこしだけゆっくりできました。それで日頃の寝不足をなんとか解消することができたようです。
 またそんな週末は街を散歩する時間もありました。天気の良い日に自転車に乗っていると風がとても気持ちよく、南米の山野を軽快に飛ばす自分が想われました。それまでの溜った疲れも取れ、気持ちがパーっと明るくなる瞬間でした。
マウントローヤル自体が広大な公園ですが、街中には緑が多く他にも大小の公園がたくさんあります。どれもが美しく、冬から春そして夏への季節の移り変わりのなかで、短い時間でしたが、散策はいつも楽しく一週間の疲れを癒してくれました。

 え?ああそうです。休みはありません。時間がある限り稼ぎたいとは思っても、休みたいという気持ちは全くありませんでした。一刻も早く南米へ行きたかったのです。この期間を通して、南米旅行への夢が大きな気持ちの支えになっていたのだと思います。人間、明確な目標があれば結構頑張れるようですね。
 ただ、そんな夢を追う生活の中にあっても、ふと頭をもたげる不安がありました。「日本に帰ってからいったい何をやる?」です。そんな不安は当時の殆どの長期旅行者が抱えていましたが、私も例外ではありませんでした。日本では皆が就職に勉学にと頑張っているというのに、南米旅行なんぞに夢中になっている自分でした。苦笑せざるを得ません。帰ってからのことは少なからず心配でしたが、今はただ目の前の夢に全力で取り組もうと思いました。いや、それしかできませんでした。

軽食喫茶のママはセクシー

 その軽食喫茶は、近代的なオフィスビル街の近くにある3階建の外壁が赤レンガ風の古いビルの一階にあります。入口をはいると5人も座ればいっぱいのカウンターが奥まで延び、通路を挟んで二人用テーブルが3卓並んでいます。マスターはギリシャ系移民。やせ形細面で黒縁の眼鏡をかけた40男。従業員は彼を入れて3人で、私の他にはベテランのママがいるだけです。メインの客層は近くのオフィス街のサラリーマンですが、近くの工事現場で働く土木建設関連の方も少なくありません。

 そんな客の接客はママの担当です。中年と思われる彼女はいつも化粧や服装がとても派手です。とくにスカートはえらく短く、一段高いカウンターの内側にある飲み物等を取るとき、客に向けたお尻はスカートから中身がむき出しになります。これは特に土建屋さんへのサービスのようで、みんなとても喜んでいました。時に歓声が上がり、彼女もうれしそうに「いやらしいわねー」とか言って、広くない店内はしばし盛り上がります。マスターも陽気な方で、特に男女の愛の表現につては人一倍関心があるようです。それはフレンチスタイルだとか、いやギリシャスタイルはもっと激しいとか、移住後間もないというマスターの小さなお城は、昼時下ネタで活気を呈します。

ランチの出前はオフィス街へ

 私の仕事は、皿やグラス洗いと出前及び雑用係りです。ここはオフィス街に近く、近くに30階程度のビルがいくつも立っています。昼時になると、そんなオフィスから出前の電話がかかってきます。注文はおなじみのハンバーグとフライドポテトにコーヒーのセットが大半ですが、中にはハムのサンドイッチ等もあります。電話はママがうけてメモり内容をマスターに伝えます。マスターは店の客の注文への対応と合わせて大忙しです。と言っても手間のかかるものが少ないので、中華や日本食を見ている私にはそう大変とは思いませんでしたが。マスターが準備を終えると、私は皿洗いの手を止めて前掛けを外します。ママのメモで注文内容を一つ一つ確認しながら日本でラーメンの出前に使うようなアルミのケース(保温対策が施されているとのこと)に入れます。それをもって外に出て、小走りに隣のビルへ入ります。ドアはセキュリティーシステムが働いていますが、ガードマンが私を見て開けてくれます。顔パスといったところです。出前先の階と社名を確認をしてエレベータに乗ります。
 15階の○○社に着いたら、ドアのところで少し大きめの声でその方の名前を呼びます。注文の品を渡して代金を受け取ったら、次は26階です。常連の△△社のMiss○○さんは脚がとてもきれいなので会うのが楽しみです。ドアを入ると待ちかねたように彼女がやってきます。呼ぶ必要はありません。今日もしなやかな身体から長い脚が伸びています。その上に載ったひまわりのように明るくキュートな笑顔が素敵です。彼女のみならず、欧米のオフィスレディには美しい方が多いようです。そして、胸がキュンとなったまま次のお客のところへ向かったものでした。

夢は南米旅行

 とまあ、仕事の内容はそんな感じです。ランチが終わると、急に客が少なくなります。食器やグラスを洗い終えた後、遅い昼食を取ります。マスターが日替わりで、イタリアンからグリーク、フレンチ等希望に応じて作ってくれるのです。どれもとてもおいしく、空いたテーブルでおなかいっぱい食べたものでした。ただ、食後のコーヒーを飲んでいる頃から、急に睡魔が襲ってきます。テーブルに座ったまま、背伸びをしたり首を回したりしてみますが、効き目は一瞬で、すぐまた目が重たくなってきます。
そんな時は外に出ます。寒さが少し緩んだとはいえ外の空気はまだまだ冷たく、一呼吸しただけで身体がシャキッとします。大きく息を吸い込み、隣のビルの上の青い空を見上げると、まだ見ぬ南米大陸が思われます。新しい出会いに期待が膨らみます。よーし、ガンバルゾー!!
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